レース中の馬の状態に関する用語を初心者でもわかるように解説

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折り合い
騎手と馬の呼吸が合っているかどうかをいう。折り合いがつくというのは、馬が騎手の意図通りに走っていて、騎手はじっと動かずに馬が走るのに任せている状態。折り合いがつかない(悪い)といえば、騎手と馬の呼吸が合わず、けんかをしているような状態。この状態を「引っ掛かる」という。

引っ掛かる
騎手が手綱を引いて抑えているのに、馬はいうことを聞かずどんどん走ってしまう状態。それで騎手は立ち上がりぎみになって必死で手綱を引く。つまり折り合いがつかない状態で、いたずらにスタミナを消耗するため、ゴール前でのバテにつながる。掛かる、掛かり気味ともいう。

□を割る
競走中に馬が□を開くこと。引っ掛かったときに見られる。

抑える
前へ前へと行こうとする馬の気持ちをなだめ、スピードを抑えて走らせること。

長手綱
手綱を長く持ってゆるめること。馬と折り合いをつけるときに長手綱にする。逆に、手綱を短く持つと、手綱をしぼることになる。手綱は馬の口中にかませてあるハミとつながっているので、手綱をしぼればハミが引っ張られて、奥歯にガチッとかかる(ハミがかかる/ハミをかける)。こうなると馬は本気で疾走する。だから、まだ本気で走る必要のない場面では、長手綱にしてハミをゆるめる(ハミを外す)わけだ。

ハミ受けがいい
騎手は手綱を引いたりゆるめたりして、馬が口中にかんでいるハミを動かし、走れ、止まれ、曲がれなどの指示を伝える。ハミ受けがいいとは、馬がハミをきちんとかんでいて、速やかに指示に従う状態。

ハミ受けが悪い
馬がハミをきちんとかまず、騎手の指示によく従わないこと。このために急に斜行したりする。口向きが悪いともいう。

硬□
口角(くちびるの両端)の感覚が鈍く、ハミの動きが伝わりにくい馬。 ハミにもたれるハミの左右一方の側を頼って、その方向に走りたがること。 ハミにかかる馬がハミをくわえこむ(ハミをとる)こと。馬が走る気になったあらわれでもある。

癖馬
気性が悪く、騎手のいうことをきかない馬をいう。

ズブい
エンジンのかかりの遅い馬のことをいう。イレ込んだり、引っ掛かったりはしないが、逆に反応が鈍く、道中、騎手が常に追っていないとスビードを上げられない。

反応がいい
馬が騎手の指示に即座に応えること。

遊び遊び走る
レースの道中で走りに集中せず、力を抜いて走ること。ほめられたことではないが、直線の伸びにつながるという面もあるので、いい意味でも使われる。

ソラを使う
レース、あるいは調教中に、馬が突然走る気を失ったり、全力で走らなくなったり、ひどいときには急に止まったりすること。

生ズルい
騎手の指示になかなか反応せず、厳しく追ってようやく本気で走る馬をいう。馬も全力疾走はつらいので、できるなら楽をしたいのだろう。

気の悪さを出す
ソラを使うとほぼ同意。レースの最中や調教中に、ふっと気を抜いたり、コースの外側へ逃げたりすること。

気を抜く
馬が本気で走ろうとしないこと。

気のいいタイプ
素直な性格の馬。騎手の指示をよく聞いて走るので、調教しやすく、レースでもイレ込んだり、引っ掛かったりしない。

馬込み
レース中に馬がかたまって馬群ができ、ひしめきあった状態。多頭数のレースでスローペースの展開になると、団子状の大きな馬込みになる。 「馬込みにもまれる」とは、馬群の中に入ってしまい、他馬に囲まれて身動きがとれない状態をいう。

道中
レースの途中のこと。「道中の位置取りがよかった」「道中で楽ができた」「道中の行きつぶりが悪い」などという。

中団
レース中の位置取りで、ちょうどまん中あたりの馬群を指す。また、後方とは、後ろの方の位置取りをいう。

馬なり
騎手の意図通りに馬が走っているので、騎手は特に指示を与えず、馬が走るのに任せている状態。このとき、騎手の手はじっと動かず、手綱はピンと張っていることもあれば、少しゆるんでいることもある。

競る
2頭以上の馬が体を並べ、先を争いながらレースを進めている状態。逃げ・先行馬の位置取り争いでよく見られる。

息を入れる
レースの途中で少しペースを落とし、力を温存すること。

他馬を怖がる
競ったり、馬込みにもまれたりすると、戦意をなくしてしまうこと。馬群を怖がるともいう。若い馬や、気の弱い馬の場合、他馬がそばに来ただけでも急に神経質になって、全力で走らなくなることがある。

パチンコ
レース中に内側と外側から他馬にはさまれること。「パチンコを食った」などと使う。

揉まれる
レースの道中で馬群の中に入ってしまうこと。こうなると恐怖心や嫌気を覚えて一所懸命に走らなくなる馬が少なくない。こうした馬を操まれ弱いといい、逆に全くおじけず力を出し切れる馬を揉まれ強いという。

走る気をなくす
レース中に他馬と接触したり、脚をすべらせるなど、何かのきっかけで全力で走るのを放棄してしまうこと。

首を使う
走るときにフットワークに合わせて首を上下に動かすこと。上手に首を使うフォームは無理なくスピードに乗ることができる。

大っ跳び
一完歩の歩幅が大きい走り方のこと。このタイプはスピードが乗ると威力を発揮するが、一般的に器用さに欠け、小回りや道悪の馬場は苦手といわれる。逆に一完歩の歩幅が小さいことを跳びが小さいといい、小回りの利く器用な走り方が可能。

ピッチ走法
跳びを小さくするかわりに、脚の回転を速くしてスピードを上げる走り方。小柄な馬に多い走法で、一般的に道悪馬場を得意とする。



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