守るべきマナーを理解して馬と仲良くしよう

馬ヘの接し方

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馬の気持ちを理解し、馬と心が通じ合うことが馬の管理においては絶対に必要です。 馬は非常に習慣性の強い動物ですから、毎日同じことを同じ時間に同じ方法で行うと、馬の扱いも楽になります。つまり、日常の一定した動作をくり返すことによって馬もそれに慣れ、作業もスムーズにはかどります。 少なくとも、不意の動作だけは絶対に避けてください。

話しかける
馬に近づく前、触れる前、動かす前には、かならず馬に話しかけるようにしましょう。 馬は、人間の声の抑揚や、声をかけるときの雰囲気などから多くを感じとります。そのうち馬は、飼付けしてくれる人の声を聞き分けたり、いつも好意を寄せてくれる人を見分けるようになります。また、馬の管理を安全に行うためにも、話しかけることはとても大切なのです。

馬に近づく
馬が馬房内にいるときと、外につながれているときとでは、その方法もやや違ってきます。 馬房内に馬がいるときは、「ホーラ」「ホーラ」と低く声をかけます。そして、馬が人間を見ても落ちついているようだったら、ゆっくりと馬の左側から近づきます。 特に、初めて接する馬のときには、馬の警戒心を解くために十分に声をかけてやり、ニンジンや草を与えて安心させてあげましょう。

そして、馬の左側から近づき、くびや背をやわらかくたたいて愛撫してやります。 次に、馬が柱につながれているときには、いきなり近づいたりせず、まず馬の1mくらい前で、馬の顔を見つめてその目や耳の様子をよく観察します。 馬の目が落ちつき耳も人のほうに向くようになったら、静かに声をかけながら、くびをなでて左肩側より馬に近づきます。 このように、馬に近づくときにはいつも馬の目や耳を観察し、馬が人の存在に不安を感じなくなったらすみやかに近づくようにします。人がおそるおそる近づくと、かえって馬は不安に思うものです。

前肢の上げ方
まず、馬に話しかけます。それから、手は肩、ひじ、ひざの裏側、腱の上を伝いながらなでおろします。そして、手が距毛まで行ったとき「肢をあげて」と馬に話しかけながら握ります。そこで、片方の手で握って上げます。 もし、馬が肢をなかなか上げようとしないときは、馬の肩に寄りかかって馬の体重を反対側に移せば、肢を上げやすくなります。

後肢の上げ方
同じく馬に話しかけます。そして、できるだけ馬に近づきながら馬とは逆の向きになり、手は肢のうしろ側にそって飛節のところまでなでおろします。ついで、飛節の前に手を移し、さらに管の内前側にそってなでおろし、球節まできたら「肢を上げて」と声をかけ、蹄を上げます。 

鞍について
乗馬にはさまざまな馬具が使用されますが、馬に直接付けるものとしては、鞍と水鞍があります。 共に騎手が馬を御すために不可欠なものであり、運動の内容によってふさわしいものが 各種つくられています。

鞍の重要性
騎手が馬の背にバランスよく座るために必要なのが鞍です。と同時に、鞍は馬の背を保護する働きもしています。 いわば、人馬一体を具体的に支えているのが鞍であり、快適な乗り心地を得られるかどうかは鞍にかかっているといっても過言ではありません。それだけに、安定感のある鞍を選ぶことが大切です。 なお、実際に装鞍する際には、金具である鐙、鐙の長さを調節する鐙革を馬に固定させるための腹帯などが鞍と一緒になっています。

鞍の種類
鞍には大きく分けて、馬場鞍、障害鞍、総合鞍の3種類がありますが、どちらにしても自分のからだに合ったものを選ぶのがベストです。 馬場鞍は、規定された動きを競う馬場馬術にふさわしくつくられたもので、鐙を長くして乗れるように、あおり革(鞍の側面)も伸びています。 障害鞍は、障害用につくられた鞍で、あおり革がかなり前に出ているのが特徴です。 総合鞍は、総合馬術での長く激しい野外騎乗に耐え、また、馬の背を痛めないようにつくられています。

鞍の置き方と持ち方
鞍は、傷つけたり形を崩したりしないようにていねいに扱ってください。

装鞍の注意点
鞍をつけることを装鞍といいます。 まず馬の左側に立って、鞍の下に置く毛布またはゼッケンの中央部分を馬の背筋に合わせて置きます。その置き方は、はじめはき甲の上に置き、そのあとで適当な位置までゆっくり後ろへ移動させます。こうした手間をかけるのは、馬の毛並みを逆立てないためです。

また、鞍を置くときの注意点としては、鐙と腹帯を鞍の上に上げ、左手で前橋の部分を持ち、右手で後橋の部分を持って、ていねいに馬の背に置くことが大切です。 その後は、馬の右側にまわって鞍をもう一度点検し、腹帯を垂らします。そして、また馬の左側に戻って、反対側にある腹帯を手に取って馬が窮屈にならないように注意しながら徐々に締めます。腹帯を締めたら両手の指(2本くらい)で腹帯を下方に引き、馬の毛並みを整えてあげてください。

なお、馬の両側を移動するときは、かならず馬の前方を通ります。また、多くの馬は腹帯を締めるときに胸をふくらませる傾向にあるので、馬場に出たときや乗り出したときにもう一度締め直す必要があるでしょう。 逆に、鞍を下ろすときは、両方の鐙と腹帯を鞍の上に上げてから装鞍と反対に行います。

守るべきマナー
どんなスポーツにしろ、始めるときにまず知っておかなければならないのがマナーです。 マナーを守らないと相手に不快感を与えると同時に、特に乗馬においては思わぬけがをすることがあります。それだけに、正しいマナーだけは絶対に守りたいものです。 ところが、マナーというのは教えられないと身につきません。初心者であればあるほど指導員や経験豊富な人にアドバイスを受けて、はやく正しいマナーを身につけられるようにしましょう。 ここでは、基本的なマナーをいくつか紹介しておきます。

◎馬装、手入れのマナー
馬場に出る前、馬装や手入れのとき、どんな点に気をつけたら良いかを以下の11点にまとめてみました。 ①装鞍してある馬を引いていく場合は、かならず鐙を上げておきます。そして、他の馬と前後左右の間隔を十分にとって、接触しないようにします。 ②洗い場ではかならず無口頭絡で馬をつなぎましょう。はみでつなぐと馬が口を切ったり、頭絡を引きちぎったりするおそれがあるからです。このあたりは、横着しないように気をつけましょう。 ③馬装は洗い場で行い、馬房の中では行わないでください。 ④馬が馬房でうしろを向いていたら、声をかけたり、舌鼓を使って前を向かせるようにします。それでも駄目なときは、指導員を呼ぶようにしましょう。 ⑤洗い場では自分が立つスペースを十分に確保し、馬のうしろを横切ったり、腹の下をくぐったりするのはやめましょう。虫の多い季節は、からだにまとわりつく虫を馬が口や尾や肢で追っぱらおうとするので、けられないように特に注意してください。 ⑥手入れのときも、ヘルメットをかぶるようにしましょう。 ⑦馬が落としたボロはかならず始末することを忘れないでください。 ③腹帯をしめるときは、いやがる馬がいるので、そんなときは馬の気を静めてからしめるようにします。 ⑨馬の背は非常に敏感になっています。鞍をのせるときは馬を刺激しないように注意して静かにそっと乗せます。 ⑩馬場での運動が終わったら、かならず馬を洗ってあげましょう。手入れは時間ばかりをかけるのではなく、要領よくポイントをきっちり押さえておけば、短時間でも馬をピカピカにすることができます。それより、馬を長時間つなぎっぱなしにして、イライラさせないようにしましょう。 ⑪馬の表情にいつも気を配って、馬がどんな気持ちでいるかを理解してあげましょう。なお、馬が耳を後方に伏せているときは、警戒心をもっていたり攻撃的になっているので、近づかないほうが賢明です。 以上のことを守って、安全に楽しく乗馬を楽しんでください

〇騎乗に関するマナー
馬に騎乗して運動をするときにはどんなマナーに気をつけたら良いのでしょうか。以下の9点にまとめてみました。 ①騎乗するときもかならずヘルメットをかぶります。そして、あごひもをしっかり装着しましょう。 ②馬の上で鞭をふりまわしたり、大きな声を出さないように気をつけます。馬は臆病な動物ですから、ちょっとした威嚇動作でもびっくりしてしまいます。馬に乗っているときはいつもおだやかな動作をとりましょう。 ③馬場の出入口付近で馬を止めないように気をつけてください。時間帯によって出入口は混雑しますから、そこで馬を止めていると他の人に迷惑となります。馬の乗り降りは、参加するレッスンの馬場中央で行うようにしてください。 ④前から馬が来たら、お互いに左側通行が原則になっています。そのとき、間隔はlm以上あけるようにします。 ⑤尾に赤いリボンをつけている馬は、馬同士を近づけると、ける怖れのある馬です。ですから、赤いリボンをつけている馬がいたら、かならず距離を十分にとって歩くようにします。なお、競技場では、赤いリボンをつけた馬がけっても、その馬に近づいたほうが悪いとされます。それだけ、赤いリボンをつけた馬に近づくのは不注意とされるわけです。気をつけましょう。 ⑥馬に乗る前には、腹帯がきちんとしまっているかどうか、かならず確認してください。 腹帯がゆるんでいると鞍がずれたりして、思わぬトラブルを招くことがあります。 ⑦自分のレッスンに合わせて障害を動かしたときは、元の位置に前と同じ状態に戻しておきましょう ⑧服装は、乗馬に適したものを着用しましょう ⑨限られた馬場内では、常に譲り合いの気持ちをもちましょう。自分勝手な運動をせず、決して他の人に迷惑をかけないように気をつけます。
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