海外遠征に関する用語を初心者でもわかるように解説

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海外遠征
日本の競馬会に在籍する馬を海外に空輸して、外国のレースに出走させること。以前はなかなか結果を出すことが難しかったが、最近は価値の高いレースで優勝する日本馬が次々に出て、注目を集めている。

パスポート
海外に出るには、馬にもパスポートが必要だ。正確には馬の個体識別手帳という。名前や生年月日、毛色、血統、生産者などを記載し、馬の特徴を図示する他、予防接種の記録や検査結果なども明記する。

輸出証明書
馬の出入国は、手続き上、輸出入として扱われる。それで、パスポートとともに輸出証明書が必要なのだ。

検疫
国の動物検疫所が行う輸出検査と輸入検査のこと。検疫の内容は国によって異なるが、日本の場合は馬が出国する直前と、入国した直後、それぞれ5日間にわたり検疫専用の厩舎で詳しい検査をする。血液検査や体温、心肺機能や馬体検査をして、伝染性の病気の有無や健康状態を調べる。また、輸出検査は基本的に、馬を受け入れる国からの要請に従って行われるものなので、相手国との間で決められたワクチン(日本脳炎やインフルエンザなど)の接橦がすんでいるかどうかも確認する。

着地検査
遠征から帰ってきた馬は、輸入検査を受けた後、さらに3週間の着地検査を受ける。この検査は都道府県の家畜保健衛生所が行うもので、伝染病などの潜伏期間を考慮して、その間は他馬と隔離した状態に置いて様子を見る。検査の場所は牧場などの他、隔離できれば競馬場の厩舎でも可能。競馬場内の国際厩舎で検査を受ければ、検査中にその競馬場のレースに出走することもできる。

国際厩舎
海外から入国した馬を入れるための馬房。ここで着地検査を受けるため、一般の出張馬房とは隔離されている。

空輸
飛行機で馬を輸送すること。主に貨物便が使われる。

競馬世界シリーズ
正式名称はエレミーツ・ワールドシリーズ・レーシングチャンピオンシップ。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイワールドカップ委員会から提案され、ドバイのエレミーツ航空がメインスポンサーになって平成11年に開設。第1回は日本のJCの他、英、愛、米、加、豪、香港、UAEから9レースが参加、それぞれのレースでの着順が点数化され、世界チャンピオンを決定する。

パリ国際競馬会議
日本は昭和48年から参加。国際間の人馬交流を円滑に進めるため、競馬と生産に関する国際協約(パリ協約)が締結されている。

アジア競馬会議
1960年に、日本の提唱で創設。日本、インド、香港、タイ、フィリピン、トルコ、オーストラリアほか15カ国が加盟。毎年持ち回りでシンポジウムを開く。開催期間中は加盟国の騎手の招待競走も行う。


海外へ出国
▼輸出検査申請書を動物検疫所へ提出
▼必要なワクチンの接種
▼輸出証明書を取得
▼パスポートを取得

▼輸出検査を受ける(5日間)

▼貨物便で海外へ空輸

▼相手国での輸入検査を受ける


日本への帰国
▲動物の輸入に関する届出書を提出
(120~90日前に提出するので、短期遠征なら出国前に動物検疫所へ提出)
▲輸出検査を受ける

▲貨物便で日本に空輸

▲輸入検査を受ける(5日間)

▲着地検査を受ける(3週間)
(海外遠征の場合60日以内に帰国すればこれで着地検査終了。以前は一般輸入馬と同様に3カ月間を要した)




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