騎手に関する用語を初心者でもわかるように解説

更新日:

仕掛ける
レース中に、騎手が馬に指示をあたえてスピードを上げさせること。ここが勝負どころと判断して仕掛けるわけで、このタイミングが勝敗を分ける。騎手の腕の見せどころだ。また、調教で軽く追うことを意味する場合もある。

三分三厘
ゴール前、660メートルの地点を指す。差し馬にとっては勝負に出る仕掛けどころ。一分を1ハロン(200メートル)と考えている。

勝負どころ
レースを決める勝負に出る仕掛けどころ。通常、三分三厘の地点、あるいは上がり3ハロン(ゴール前600メートル)地点を指す。

4コーナー
ゴール前の直線に入る最後のコーナー。

外目を回る
馬場の中央より外側を通ること。コーナーで追い上げるには馬群の外を回る。また、馬群の番外側を回ることを大外を回るという。

内ラチ沿いを通る
内ラチとは馬場の内側の柵のこと。つまりコースの最も内側を走ることをいう。

外に出す
進路を外目にとって、外から馬群を抜け出すこと。

前があく
最後の直線で前を走る馬の進路が横にそれ、都合よく狙ったコースがあくこと。逆に、先行する馬群に進もうとするコースをふさがれ、前に出たくても出られない状態を前がふさがるという。

最後の直線
4コーナーを回ってからゴールまでの直線コースのこと。

手綱をしごく
騎手が手首をグイグイと前後に動かすこと。この動きがハミに伝わって「スピードを上げろ」という指示になる。

騎手の手が動く
騎手が手綱をしごくこと。

追う
騎手が手綱をしごいたり、ムチを入れたりして、速く走らせること。

まくる
3~4コーナーで先行馬を一気に抜いて、直線で粘る乗り方。

行く
逃げること。「すんなり行かれた」などと使う。単騎で行くといえば1頭で逃げること。また、勝負どころで仕掛ける意味でも使う。

引っ張る
肝心なところで騎手が手綱を引いたり、ムチを入れるのをひかえたりして、馬の力を完全に出し切らせないこと。次のレースのために消耗を避けるとか、自己条件の都合などが考えられる。ただし実際のところは、記者やファンがレースを見てそう感じたということ。

やらず
引っ張ると同様に、何かの理由で勝負しないこと。行かずともいう。

ムチを入れる(ムチが入る)
最大限に力を出させたいときにムチで叩くこと。ステッキを入れるともいい、おおむね尻ムチを入れることを意味する。

見せムチ
ムチで叩かれることを嫌う場合や、余力があって叩く必要がない場合などに、ムチを見せて速く走るように合図する。

肩ムチ
肩の部分を軽く叩いてスパートの合図を送る。

叩き合い
ゴール前で各馬の騎手がムチを入れ、死力を尽くしたラストスパートをかけ合うこと。

持ったまま
手綱をしごいたり、ムチを入れたりして追わずに、ただ手綱をしぼった状態。持ったままで勝てば、余裕たっぷりの楽勝。

脚色がいい
馬の走りにまだ十分余力が感じられること。


ヘルメット
騎乗中に危険を避けるためにかぶる帽子。硬質の発泡スチロール製で、レースでは出走馬の枠色のヘルメットカバーをかぶせて使用する。

勝負服
レースに騎乗する際に着る上着。中央競馬では、馬主が独自のデザインで勝負服をつくり、調教師が管理して騎乗する騎手に貸し出す。だから勝負服を見れば馬主がわかる。一方、地方競馬では、騎手が自分のユニフォームとして用意する。

ステッキ
ムチのこと。馬を速く走らせるために、肩や尻を叩いたり、見せたりする。グラスファイバー製で回りに皮が巻かれ、握りの部分はすべらないようにゴムが巻かれている。

乗馬ズボン
ジョッキーパンツともいう。レースに使用するのは白地のもの。横に線が入ってもいい。

サポーター
乗馬ズボンの膝下を押さえる。

ブーツ
乗馬用の長靴で、クラリーノ製が主流。

プロテクター
落馬などの事故の際に体を守る防護用のベスト。芯材は発泡スチロール。障害競走では善用が義務づけられている。平地でも、たいていの騎手が善用している。障害用のプロテクターの方が頑丈なつくりになっている。

アンダーシャツ
勝負服の下に着る。普通、夏は風通しのよいメッシュ地のシャツを、冬は防寒のためにハイネックのシャツを着ている。

貸し服
競馬会が貸し出す勝負服。何らかの理由で勝負服を着られない場合に貸し出す。中央競馬の貸し服は斜め縞、また中央競馬の騎手が地方競馬で乗る場合、中央の馬なら馬主の服、地方の馬に乗る場合には、その競馬場の貸し服を着る。

染め分け帽
同じ勝負服の馬が同枠に入ると、勝負服の色と帽色がまったく同じになるので見分けにくい。そこで馬番号が後の騎手は、その枠の色と白(1枠は水色と白)とで染め分けられた帽子をかぶる



この記事を見た人は、一緒にこんな記事も読んでいます!