競走馬にも性差はある?去勢されたせん馬はどうだ

競馬は男女混含レースで馬に性差はあるか?

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幼稚園や小学校低学年の運動会では、男の子も女の子も一緒に走った記憶があると思う。それが小学校も高学年になると、当然のように男女別に走るようなる。これはスポーツ能力には性差があり、女性のほうが男性より10~30%劣っているとされているためだ。

このことは男女別の陸上競技記録にも表われている。そのため、成人の男女混合レースというものはあまり見られない。 サラブレッドの場合、牝馬だけのレースもあるが、牡牝一緒に競走できるレースも多くある。ということはサラブレッドのスポーツ能力は男女同等?答えは否。統計的に性差はあるのだ。とは言うものの、実際にサラブレッドの能力の性差について、科学的に証明はされていない。

過去9年間の競走成績をもとに、牡牝の能力の比較を試み、性別に負担重量とタイムの関係を調査してみたところ、その間には成人男女のように明瞭な能力差が認められた。では牡牝混合レースには問題があるのではという声も出てきそうだが、その点は考慮されている。

一般に競走馬の負担重量は牡牝間で異なり、牝馬のほうが軽くなっている。前述の調査でも、負担重量には平均1~3kgほど性別による差が認められた。負担重量の差によって、走る能力の性差をならすような配慮がなされているのだ。 競走馬の世界では、条件を同じにしたうえで、牡馬も牝馬も同じひとつのゴールを目指して競い合う。

去勢されたせん馬は一代限りの名馬たち
日本では現役の競走馬を去勢する例はそれほど多くはないが、欧米では名馬を2~3歳ころにすでに去勢してしまう例がかなりの数にのぼる。有名なところではケルソ、世界の賞金王ジョンヘンリーなど。また、かつてジャパンカップにも来日したカナダの声毛馬フロストキングもそうだった。彼らは出馬表でも「せん」と記入して区別される。

欧米では、生まれ落ちたときに、将来種牡馬になるものとそうでないものとを区別する。血統的に種牡馬にしてもしかたがないと決められた馬は、去勢されることが多い。逆に、貴重な血統を散逸させないためにという場合もある。その他、調教段階で扱いにくいとか、強めの調教をすると食欲が落ちて筋肉が減ってしまうなどで去勢される場合もある。

去勢すると筋肉が堅くならず、レースではよい成績があげられるともいう。ただし、せん馬はサラブレッドの再生産サイクルからはずれているということで、日本やヨーロッパでは、ほとんどのクラシックレースに出走させていない。日本の場合、生まれたサラブレッドの牡のほとんどが、精巣をつけたままトレーニングセンターヘ入厩してくる。

この時点ではどの馬もダービー出走を目指しているのだ。しかし、人間社会と同じく競走馬の世界も甘くはない。新馬のときは「末は三冠馬か賞金王か」と期待されるが、負けが込み、未勝利競走へと移行していくと、走らない理由を詮索される。 それが「どうもウマッケ(牝馬を気にする)が多すぎる」とか「気性が悪い」というような場合は、大事なものを取られてしまうはめになるわけだ。

日本では最初からせん馬として入厩してくる馬が非常にまれなため、ジョンヘンリーのようにせん馬が賞金王になる例はほとんどない。逆に、入厩後去勢した馬が見違えるように走るようになったという話もあまり聞かない。最初からせん馬だからということでクラシックレースに出走権がない優秀馬には、同情を禁じえない。
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