サラブレッドはエリートで誕生日は牡牛座か牡羊座

サラブレッドはエリート中のエリートで連綿と続く血統

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「ルーツ(祖先)」という映画が、祖先捜しブームを巻き起こしたことがある。日本人はことさらルーツには疎い。たかだか三代さかのぼった先祖のことでも、ルーツがはっきり記録に残っているという人はそれほど多くないだろう。

サラブレッドのルーツは確実に探れる。血筋が非常に重視されるサラブレッドには、約300年にわたるルーツの記録が残されているのだ。ルーツとその競走成績、繁殖成績、産駒成績などを併せたのが血統と呼ばれているものだ。

ルーツの情報が記されたスタッドブック(血統登録書)は、そのサラブレッドを生産した国で発行される。これをさかのぼれば一人世紀初頭の馬にまでたどりつけ、母馬、種牡馬、種付け年、生まれた子の名前なども知ることができる。また、これをもとに祖先の繁殖成績を調査することもできる。ただ、その馬自身の競走成績は、まだスタッドブックには記載されていない。こちらは、競馬開催国ごとに発行されている「レーシング・カレンダー(競走成績書)」を見ればわかる。

血統のよいサラブレッドとは、一般にはその馬自身の競走成績がよいことと同時に、より多くの優れた祖先がいることだ。この場合の「優れた祖先」とは、種牡馬や繁殖牝馬として競走成績のよい子孫を輩出できた、という意味のものも含まれる。

祖先とは、一代前で父と母の2頭、二代前で4頭、三代前で8頭というように、ネズミ算式に増えていく。サラブレッドの場合、たどれる最後までさかのぼるとだいたい30代以上になる。ということは、 一頭の馬に対して数億頭の優秀な祖先が存在することになる。

約300年にわたり、より速く走るという目的のためだけに選び抜かれ、生き残ってきたエリート中のエリート、サラブレッドは人間がつくった最高のぜいたく品と言っても過言ではないだろう。そのうえ、サラブレッドには、種牡馬あるいは繁殖牝馬になってからも激しい生き残りの競争が待っている。そしてこの競争に勝ったものだけが、将来スタッドブックに名前を残すことができるのだ。
ほとんどがウシかヒツジという馬の誕生日
占いがはやっている。仕事や恋はもちろん、旅行の予定にまで、千支や血液型などさまざまな占いが用いられている。なかでも、誕生日の一二星座で占う西洋占星術はポピュラーだ。

人間の誕生月の分布には、あまり偏りがない。しかし、馬は季節繁殖動物。誕生日は春から初夏に集中する。このため、日本の競走馬の誕生日の星座は70%が牡牛座か牡羊座、28%が双子座か魚座である。

競走馬のなかには、ニュージーランドやオーストラリアなど、季節が日本と反対になる南半球生まれの馬もいる。彼らの多くは日本の秋に当たる星座の生まれなので、その分を例外として差し引くと、ほかの星座の馬がいかに少ないかがわかる。 誕生月の偏りには、馬が季節繁殖の動物であること以外に、もうひとつの理由がある。年齢の数え方である。

競走馬の年齢は数え年で表わすので、毎年1月1日に一歳ずつ年をとる。それならば早く生まれた馬のほうが好成績を残せるのではと考える人もいて、なるべく誕生日が1月1日に近い馬が望まれる。そこでサラブレッドでは、326~343日と言われる妊娠期間を考慮して、真冬の2月に種付けシーズンが始まる。

こうして魚座や水瓶座の、早生まれの馬が誕生する。しかし、この時期排卵できる牝馬がまだ少ないので、全体数からすれば少数派である。やはり、牡牛座、牡羊座生まれが圧倒的に多く、自然の摂理である季節性のほうが優位と言える。

馬の年齢を特定の日付を基準に数える方法は、1751年にイギリスで定められた。当時は5月1日が基準日だったが、これだとレースシーズンの真っ最中に年齢が変わってしまう。競馬施行者にとってはまことに都合の悪い話だ。そこで1833年、ジョッキークラブが現在の1月1日に変更してしまった。 この基準日なら法律や規則を作るときにも都合がよい。ちなみにオーストラリアでは、当初は7月1日だったが1859年に8月1日に変更した。

馬の星座占いをしようとすると、そのバリエーションは非常に少ない。そして、ハッピーバースデーのろうそくの本数が増えるのは、みんな一斉なのだ。
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